- 2016年1月24日、両国国技館で行われた初場所、千秋楽で日本人力士として10年ぶりの優勝を果たし、日本中を歓喜の渦に包んだ琴奨菊関。身長179cm、体重180kgの柳川出身の力士。小学生時代に巡業で訪れた貴花田(後の貴乃花)の膝の上に乗せられて、記念写真を撮ったことをきっかけに、小さな頃から祖父一男さんの英才教育を受けて育ちました。祖父が作った自宅横の土俵で、毎日2時間の稽古に、隣のグラウンドでは100メートルのタイヤ引きを1時間で40本こなし、牛乳は1日に1リットルを飲み、煮干しを学校に持参していたという逸話まであります。また、グレープフルーツジュースと偽って、すっぽんの血を飲まされていたと言う驚きのエピソードも。
- 地元柳川で毎年行われている雲龍少年相撲大会でも優勝するなど、その才能に先代の佐渡ケ嶽も、少年時代の琴奨菊関に四股名である「琴奨菊」を提案するなど、当時から目にかけていたといいます。小学校4年生からは久留米市の井上相撲道場で相撲を始め、中学時代は相撲の強豪校として知られる高知県の明徳義塾中学に相撲留学。3年生の頃の全国中学相撲選手権大会では見事優勝し、中学横綱となり、高校時代は、交代で7巻を取るなど学生時代から活躍を見せ、高校3年生時の国体では、豊ノ島とともに団体優勝に貢献しました。
- 琴奨菊が、琴菊次(こときくつぎ)の四股名で初土俵を踏んだのは、2002年の1月場所のこと。順調に出世し、2004年の7月場所で新十両へ。この場所で、「人に尊敬される力士になれ」という意味が込められた現在の四股名「琴奨菊」を佐渡ケ嶽より命名されました。
- 2005年1月場所で新入幕を果たしましたが、大きく負け越し十両へ陥落。翌3月場所で十両優勝。同年5月場所で再入幕を果たした後は、幕内上位に定着します。2006年の7月場所では三役昇進が期待される中、大敗に終わりますが、地元福岡で行われた11月場所で10勝5敗の好成績を挙げ、優れた技能を発揮した力士に与えられる技能賞を初受賞しました。
- 2007年の1月場所では、栃東、魁皇を破る活躍を見せ西関脇に昇進しましたが、
- その後は不調が続き平幕に陥落。その後の地元福岡で行われた11月場所では、自身2回目となる技能賞を受賞し、2008年3月場所で西関脇に復帰、12日目の横綱朝青龍との戦いを制し、優勝した力士や横綱から白星を挙げた力士に送られる殊勲賞を初受賞しました。しばらくなかなか三役に定着しきれない日々が続きましたが、2011年の1月場所で11勝4敗と好成績を挙げ、3度目となる技能賞を受賞。9月場所では、千秋楽まで白鵬と優勝争いを繰り広げた末に、優勝は逃しましたが3度目の殊勲賞と技能賞を受賞。11月の地元九州場所で、見事大関に昇進しました。
- その後、左膝内側側副靭帯損傷、右大胸筋断裂など怪我に苦しみ、3度の大関角番を経験するなど、苦しい状況が続きましたが、2016年1月場所で、14勝1敗の好成績で、ついに幕内最高優勝を果たしました。琴奨菊関の優勝に、地元柳川も喜びに包まれ、3月5日には、どんこ舟で縁起を担いで川を上る優勝パレードが行われます。(写真は大関昇進時の優勝パレード)
- その干満差の大きさと地形から、独特の生態系を形成する有明海では、地元で珍味として食される有明の幸があります。30年ほど前は大量に獲れていたウミタケ、タイラギは、今ではほとんど獲れなくなりましたが、粕漬けなどで今も愛されている珍味。柳川ではクッゾコと呼ばれる舌平目、生きた化石とも言われるメカジャなども貴重な有明海特有の幸です。
- 日本では有明海にしか生息していないと言われるワラスボは、刺身や、干したものを炙って食べたりしますが、その姿は実に個性的。干潟に巣穴を掘って生活しているため、目はほとんど退化し、ちょこんとお飾り程度にあるくらい。歯はむき出しで牙のように飛び出し、血管が透けて赤紫色にみえるその姿は、エイリアンにも例えられるほど不気味な姿をしています。しかし、その味は意外にも美味で、滋養強壮に良いとされています。
- そして、柳川といえば鰻のせいろ蒸しが名物として知られていますが、『石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしというものぞ 鰻とり食せ』と万葉集に歌われるなど、古来より滋養強壮のある食べ物として知られています。良質のタンパク質に、ビタミンAや、ビタミンB1、B2,E,D、カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛、などバランス良く含まれ、体力回復、風邪の予防にも良いとされています。
- 柳川の神社でパワーをもらって、滋養たっぷりの海の幸を味わい、元気に新年のスタートはいかがでしょうか。
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2月・如月
水落ちを終えていよいよ柳川の春が始まります。
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