- 柳川の産土神としてご鎮座する日吉神社。正応3年に近江日吉神社を勧請したことに由来し、蒲池氏が柳川城を築いた際の鎮守になったとされています。蒲池氏滅亡後も、代々の柳川藩主により神領を保護され、元禄9年には、社殿の再興が図られるなど、崇高を集めました。今も、初詣や、お宮参りなどの年中行事、柳川の各行事でも神事を務め、地元の産土神としての役目を果たしています。挙式をあげた新郎新婦が、ここから川上りをして式場まで向かう様子は、柳川の心に残る光景の一つです。
- 毎年12月になると、福多い年を迎えられますようにと言う願いが込められた、5.2メートル四方、重さ300キロほどの巨大なお多福面が登場します。福を求めて多くの参拝客がお多福の口をくぐっていく光景はとてもユニークで、早速笑顔に。
- また、日吉神社のご祭神大山昨大神の使いは、猿であり、神社の什物には江戸時代に作られた神猿が伝えられていいます。境内にも見ざる、聞かざる、言わざるを表現した猿の像や、本物のお猿さんまで。サル年の2016年は、12年に一度の力強いご利益の年を迎え、よりいっそうパワーがいただけそうです。
- 柳川を代表するもう一つの神社で、2015年には、北原白秋の詩情を育んだ水郷柳川の風景が、『水郷柳河(すいきょうやながわ)』として国の名勝に指定され、白秋の作品に度々描かれた三柱神社。
- 西鉄柳川駅から徒歩5分のところにあり、初代柳河藩主立花宗茂公、その岳父・戸次道雪公、宗茂公の妻・誾千代姫の三神を祀ることに由来し、その名前がつけられました。
- 立花宗茂公は、戸次道雪公とともに大友家の重臣だった高橋紹運の長男でしたが、道雪公に請われ、その一人娘、誾千代姫と結婚し養嗣子となります。大友家、豊臣秀吉と仕え、柳川城に入城し初代柳川藩主となりましたが、関ヶ原の戦いで西軍についたため、改易され、浪人に。その後、徳川家康に取り立てられ大名に復帰し、柳川城に移封されたという、旧領に復帰したただ一人の武将です。豊後の戦国大名・大友家2代に仕えた宿将、戸次道雪公は、大友家の三宿老に数えられ、その勇猛さは諸国に恐れられるほどでした。道雪公の一人娘で、7歳にして立花城の城督、城領、諸道具の一切を譲られた誾千代姫は、父譲りの武勇に長けた姫という逸話が多く伝わっています。宗茂公の妻となり、柳川城に入城するも、夫婦仲が良くなかったと言われ、入城後すぐに別居し宮永村に住み、宮永様とも呼ばれていました。神社には、宗茂公にちなんだ蘇り守なども。
- 宗茂公ゆかりのお守りの他に、実はお守りとしてとても貴重な木が神社にはあります。古くから神社の御神木とされてきた梛の木は、海が「凪ぐ」、心が「和む」、困難を「なぎ払う」などの言葉に通じることから、「夫婦和合」に良いとされてきました。また、梛の葉は、縦には簡単に割くことができますが、横にはなかなか割けないことから良縁の御神木ともされてきました。男女の縁だけでなく、人と人との縁にも通ずるため、商売繁盛にも通ずる縁起の良い木。境内の奥にひっそりと立つ梛の木の下に立つと、神聖な力がこちらにも伝わってくるようです。この梛の葉守りは、毎月宮司さんらの手により個数限定で販売もされています。
- その干満差の大きさと地形から、独特の生態系を形成する有明海では、地元で珍味として食される有明の幸があります。30年ほど前は大量に獲れていたウミタケ、タイラギは、今ではほとんど獲れなくなりましたが、粕漬けなどで今も愛されている珍味。柳川ではクッゾコと呼ばれる舌平目、生きた化石とも言われるメカジャなども貴重な有明海特有の幸です。
- 日本では有明海にしか生息していないと言われるワラスボは、刺身や、干したものを炙って食べたりしますが、その姿は実に個性的。干潟に巣穴を掘って生活しているため、目はほとんど退化し、ちょこんとお飾り程度にあるくらい。歯はむき出しで牙のように飛び出し、血管が透けて赤紫色にみえるその姿は、エイリアンにも例えられるほど不気味な姿をしています。しかし、その味は意外にも美味で、滋養強壮に良いとされています。
- そして、柳川といえば鰻のせいろ蒸しが名物として知られていますが、『石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしというものぞ 鰻とり食せ』と万葉集に歌われるなど、古来より滋養強壮のある食べ物として知られています。良質のタンパク質に、ビタミンAや、ビタミンB1、B2,E,D、カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛、などバランス良く含まれ、体力回復、風邪の予防にも良いとされています。
- 柳川の神社でパワーをもらって、滋養たっぷりの海の幸を味わい、元気に新年のスタートはいかがでしょうか。
柳川おでかけWeb
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1月・睦月
寒さ際立つこれからがこたつ舟の味わいどきです。
初詣で賑わう三柱神社/にっこり参拝客をお迎えする日吉神社の巨大お多福/地域に伝わる伝統行事ほんげんきょう/1月25日の北原白秋の誕生日に行われる鼓笛隊パレード/柳川名物うなぎのせいろ蒸し/こたつ舟は、寒さが増すこれからがまさに楽しみどきです