- 2015年10月4日、西日本鉄道株式会社が運行する西鉄電車で、柳川観光列車「水都」の運行が始まりました。「柳川の伝統と四季の彩り」をテーマとした「水都」は、内装や外装に日本の伝統色を使用し、6両の車両には、それぞれにさげもんめぐりで賑わう春の柳川まりや、秋の白秋祭などを表現したデザインが描かれています。
- 先頭を飾る1両目のテーマは、「柳川まりと雛祭り」。2月の水落ち期間が終わると、掘割に一斉に水を引き込む「お堀開き」とともに、春の「柳川雛祭りさげもんめぐり」が始まり、華やかさを増す柳川のように、臙脂色と藍色を基調とし、菊の文様の柳川まりが華やかにデザインされています。
- 柳川といえば、町中を掘割が巡る水の都。2015年3月には、北原白秋の詩情を育んだとして、掘割全体が国名勝に指定されたばかりです。柳川駅周辺から始まる約70分の川下りを彩るのは、掘割沿いの柳並木。そんな「柳の新緑と水面」をテーマとした2両目には、柳川の景観の象徴として、初夏の新緑の頃の水面に映る柳や、水流が表現されています。基調となる紺青色と藍鼠色は、日々色を変える掘割に流れる水の様子を思わせます。
- 「からたちの花」をテーマとした3両目。日本を代表する詩人北原白秋の故郷柳川には、童謡「からたちの花」の原風景ともなったからたちが植えられ、5月上旬には、白秋詩碑苑にも、白い可憐な花を咲き誇ります。
- 5月下旬頃から見頃を迎え、柳川市の花にも指定されている「花菖蒲」。4両目は、そんな「花菖蒲」をテーマに、落ち着いた灰緑色と象牙色を基調とし、上品で優美な花菖蒲の絵柄がデザインされています。
- 8月の終わりに開催されるナイアガラ花火が圧巻の「有明海花火フェスタ」や、11月の白秋祭での、クライマックスに頭上に打ち上がる花火をデザインした、5両目。濃藍色と、瑠璃色を基調とした車両に色鮮やかに打ち上がる色とりどりの花火と、白秋祭水上パレードで、夜の掘割を幻想的に下るどんこ舟の様子が表現されています。
- 最後を飾るのは、9月の重陽の節句のころの風物詩「菊と渡り鳥」をテーマに、漆黒色、木蘭色を基調色に、菊の花や、柳川藩主立花邸 御花の庭園に大陸から飛来する渡り鳥が描かれています。
- それぞれの車両は、内装も外装に合わせた仕様になっており、車両ごとに柳川をテーマにした乗車記念カードも設置され、電車好きの子どもも大人も、車両を行ったり来たり。柳川到着までの乗車時間もワクワク楽しいひとときです。
- 10月4日に運行を開始した柳川観光列車「水都」の、第1号到着に合わせて、西鉄柳川駅には多くの市民が集まり、おもてなし大作戦が繰り広げられました。手にはそれぞれ、色とりどりのポンポンや、横断幕、のぼりを持ち、「水都」に乗った乗客の皆さんに手をふり盛大におもてなし。駅の車掌さんたちも整然と敬礼し、「水都」を出迎えました。
- 2015年にリニューアルし、グッドデザイン賞も受賞した西鉄柳川駅の西口駅前広場では、柳川高校の生徒たちがブラスバンド演奏を披露したり、西鉄電車のキャラクター「nimoca」も駆けつけたりと、市民一丸となって「水都」の運行開始を盛り上げました。
- 9月には、切符売り場横に、観光情報やお土産も手に入り、カフェも備えた御花のアンテナショップ「michi9sa」もオープン。「おもてなしを遊ぶ」をテーマに、柳川観光の前の情報収集や、帰りの電車の待ち時間もここでちょっと一息いかがですか。
- 柳川観光列車「水都」は、平日は西鉄福岡(天神)駅〜大牟田間を3往復、土休日は6往復運行。その運行に合わせて、10月4日から11月29日までの約2ヶ月間限定で、柳川観光バス「水都」も接続運行しています。柳川観光列車「水都」と同じ、「柳川まりと雛祭り」がデザインされたラッピングバスで、西鉄柳川駅から、柳川観光の拠点・沖端の「御花前」までを約10分で直行します。平日は1便、土曜日は18便(9往復)、日曜祝日は16便(8往復)の運行で、料金は大人片道210円。ICカードも利用でき、気軽に乗れて観光気分を盛り上げる新たな柳川観光バスです。
- バスの到着地沖端周辺には、国の名勝に指定された優美な庭園「松濤園」や、5000点にも及ぶ大名道具を所蔵した「立花家史料館」、柳川土産が勢ぞろいした「お花小路」があるなど、見どころいっぱいの柳川藩主立花邸 御花や、北原白秋が19歳までを過ごした家を復元した北原白秋生家・記念館、江戸時代の数奇屋風建築を今に残す旧戸島家住宅などの観光名所や、多くのうなぎ料理専門店、お菓子屋さんが並びます。江戸時代の地図と変わらない小路といわれる路地の先に、穴場のカフェがあったり、川下りの締めくくりに歌う船頭さんの声や、乗客の拍手で賑わったりと散策も楽しいエリアです。
柳川おでかけWeb
表紙スライドショーの写真のご紹介
10月・神無月
おにぎえに風流と、伝統の祭に染まる秋の柳川です。
10月4日から運行を開始した柳川観光列車「水都」の第1号到着を市民みんなでおもてなしするおもてなし大作戦/柳川観光列車「水都」に合わせて、柳川観光バス「水都」も期間限定で接続運転します/三柱神社の秋季大祭おにぎえでは迫力の「どろつくどん」が地域を練り歩きます/おにぎえの中日に行われるご神幸行列は、「どろつくどん」や「踊り山」とよばれる山車とたくさんの人々が約600メートルにも渡って練り歩く圧巻の光景です/地域ごとに行われる伝統の祭「風流」シャギリとよばれる衣装に身を包んだ子供達が、鉦の音に合わせて舞い踊ります/たわわに実った稲穂も収穫の時を迎えます