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  •  2015年3月10日、詩聖北原白秋の詩歌を育んだとして、水郷柳川の掘割とともに名勝となった北原白秋生家・記念館、三柱神社、並蔵、沖端水天宮。その北原白秋が青年時代までを過ごしていた場所は、北原白秋が過ごしていた時代の生家をほぼそのままに再現し北原白秋生家・記念館となって多くの観光客を迎えています。
  •  しかし、一時は取り壊されそうになった過去が。白秋の実家の倒産後、生家は人手に渡り、精米所や缶詰工場となりました。ところが、昭和43(1968)年、缶詰工場の経営がうまくいかなくなり、売却され取り壊されることになったのです。買い上げる余裕がなかった市は、生家保存のために全国へ向けて募金を呼びかけました。地元青年団の駅での募金活動を始まりに、新聞でも取り上げられ、募金運動は全国へ広がっていきました。市内の柳城中学校の生徒は、夏休みの廃品回収の売り上げを、新聞社は主催のイベントの収益金を、全国の小・中学生からはお小遣いからと思われる100円や200円の募金が届きました。
  •  さらに、多くの募金とともに、好きな白秋の歌への思いが書かれた手紙や、白秋ゆかりの貴重な写真、画家坂本繁二郎氏からは2枚の絵が、作曲家古賀政男氏からは色紙が送られたりと、たくさんの支援を受け目標額を遥かに上回る金額が集まりました。また、県文化財指定の申請も半年ほどで叶い、白秋生家の保存が実現することとなりました。
  •  白秋の27回忌の前日となる昭和44年の11月1日、ついに生家は落成し、現在にいたります。昭和60(1985)年の白秋生誕100周年には、生家の南側に柳川歴史民族資料館が建設され、柳川の歴史や民俗、風土なども知ることができます。



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  • 殿の紋
  • 祇園守を
  • 水草の何の花かと
  • われら夢みき
  • と白秋も詠った三柱神社は、初代柳川藩主立花宗茂、その岳父戸次道雪、道雪公の娘であり、宗茂公の正室でもある誾千代姫の三神を祀ることに由来する神社です。しかし、この三神はもともと別々に祀られていたのです。
  •  天明3(1783)年、7代柳川藩主立花鑑道公が、柳川城三の丸長久寺境内に梅岳宮を建立し、梅岳霊神の神号を贈神された道雪公を奉祀しました。宗茂公と誾千代姫は、日吉神社近くにあった唯一宮に祀られていました。文政3(1820)年、宗茂公に松蔭霊神、誾千代姫に瑞玉霊神の神号が贈神され、文政6(1823)年には、その2神も梅岳宮に遷宮合祀され三柱宮となりました。しかし、それまでの梅岳宮に合祀するのは1藩の宗廟としては規模が小さいということで、文政9(1826)年、9代柳川藩主立花鑑賢公により、現在の高畑に新宮、三柱神社が造営されました。
  •  神社内には、拝殿、回廊など文政時代からの建築物が残っていましたが、平成17年に起きた火災により、焼失してしまいました。かろうじて残ったのは本殿のみですが、現在は復興を目指しています。
  •  毎年春には、桜咲き誇る正参道で流鏑馬の神事が行われ、10月には、大賑わいに由来する秋季大祭「おにぎえ」が行われます。「どろつくどん」や「踊り山」などの山車が町内を練り歩き、祭りの中日には400名規模の御神幸行列や、夜の大競演会なども繰り広げられます。柳川の秋を代表する一大イベントです。

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  • 橋ぎはの醤油並倉
  • 西日さし
  • 水路は埋む臺灣藻(たいわんも)の花
  • と白秋が詩に詠った「並倉」は、明治4(1871)年から続く鶴味噌醸造の今も現役の味噌蔵です。大正初期頃の建築で、赤いレンガ造りの蔵が3棟並び、柳川の観光名所のひとつにもなっています。以前は、汲水場が併設され、掘割の水を引き込んでいたようです。すぐ裏を流れる掘割にその姿を映す光景や、青空と赤い並倉の対比、夕暮れに染まり赤さを増したその光景は、美しくどこか懐かしさも感じさせてくれる光景です。柳川の歴史的景観形成に大きく寄与しているとして、平成12(2000)年には3棟夫々が国の登録有形文化財に指定されました。すぐそばにかかる壇平橋(だんぺいばし)は、時代を感じさせる趣ある木橋で、映画のロケにも使われました。この橋から眺める並倉の光景もまた格別です。
  •  白秋が過ごした沖端にある沖端水天宮は、「思い出」や「水の構図」にも度々書かれるほど白秋にとっては子供のころからの馴染みの場所。明治2(1869)年に、久留米水天宮から勧請され、稲荷神社、弥剣神社の三社を合祀したお宮で、今も「水天宮さん」と地元の人々に親しまれています。白秋の初恋のきっかけとなった5月の「沖端水天宮祭」の盛り上がりはもちろん、観光客がお参りをする光景は日常の光景です。



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表紙スライドショーの写真のご紹介

4月・卯月
待ちに待った中山大藤が満開を迎えます。
3月から咲き始めた桜も4月に入ると満開を迎えます/毎年見事な藤棚を見せてくれる中山大藤/中山大藤まつりは夜まで賑わいが続きます/さげもんめぐりをしめくくるのは子供たちの願いを掘割へ流す流し雛まつり/北原白秋が柳川で過ごした生家にはたくさんの観光客が訪れます/柳川の美しい景観のひとつ鶴味噌醸造で今も現役の味噌倉「並倉」


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