- 美しいお雛様やお内裏様が並ぶ雛壇。健やかな子どもの成長を祈り行われる雛祭りですが、柳川ではひな壇の周りに色鮮やかなさげもんが吊るされ、2月11日から4月3日までの間、市内の至る所で様々なイベント「柳川雛祭りさげもんめぐり」が開催されます。
- お内裏様やお雛様がさげもんに彩られた山車で市内を練り歩く「おひな様始祭(はじめさい)」を皮切りに、薄暗い空にさげもんを模した灯りがそっと点灯し、柔らかく優しい雰囲気に包まれる柳川市京町商店街の「ときめきひな灯り」、昭和の町並みが残る恵比寿町の裏路地で行われる「恵比寿ひな小路」など、柳川の春をたっぷりと堪能できます。
- 女の子の健やかな成長を願いながら作られる「さげもん」は、江戸時代より始まった柳川ならではの手技です。一針一針手縫いでつくる飾りは、白い綿の人形やひょうたん、鶴、蝉や鶏、柳川まりなど色とりどりの美しく可愛らしいモチーフがいっぱい。一つ一つの小物に意味があり、子どもの成長から結婚後の幸せを願うものなど、一般的には約30種類あると言われています。
- 「さげもん」は一提げ51個。小物と小まり49個に、中央の大きな2個のまりを加えてできています。この51という数には、始終苦労(49)しないように、人生50年と言われていた時代、50年よりも長く生きれますようにという、親の切なる願いが込められた数なのです。
- 1人分(飾り52個のさげもんを二吊るし)を作るのに、1年程かかります。時間をかけて縫われるさげもんは、一生の宝物として喜ばれ、各家庭で大切に保存されているのです。
- 紺青色に紅色、若竹色など目の覚めるような鮮やかな色から優しい色まで、様々な模様で一針一針縫い上げられた柳川まりは、柳川を代表する伝統工芸品です。
- 柳川まりの発祥は、江戸時代末期。旧柳川藩に在職していた女中たちの手慰みとして作られていたものが町屋の娘達にも広がり、節句のお雛様とともに飾られるようになりました。細長い木毛(パッキン)と白色の仕付け糸で成形した土台に、6等分、8等分、10等分、12等分、16等分、8等分の組み合わせから地割りをし、地割りに合わせ梅や菊、桜、ダリヤなど模様を入れるように縫っていくのです。
- 柳川まりの魅力は、同じ柄でも作者の用いる色彩によって雰囲気が大きく変わるところ。表情豊かなまりが飾られる2月、ゆるりと柳川の伝統に触れてみてはいかがでしょう。
柳川おでかけWeb
表紙スライドショーの写真のご紹介
2月・如月
「柳川雛祭りさげもんめぐり」がいよいよ始まります。
美しいさげもんに彩られる柳川は、また格別です。
にっこり笑顔が可愛らしい、愛情込めて縫われた小物。/51個の大迫力。/柳川の伝統行事「水落ち」。1年のうち、10日だけ、水が流れていない柳川を見ることが出来ます。/日吉神社の節分祭は大人気。/「おひな様始祭」は、きらびやかな行列が市内をめぐります。/いろいろなところで見られる、さげもんに大興奮。/面白いさげもんも登場します。/雰囲気たっぷりの雛人形の展示がある旧戸島家住宅。